まるで呼吸をするかの如く
研究発表会の数日前,切羽詰まっていた僕は珍しく太陽よりも早く動き出した.
まだ表も暗い中,マックの店内でうつらうつらとしながら原稿の準備をしていると,隣の席に見覚えるのある女が座った.彼女のことは一方的に知っていた.夜遅くに店に行くと割合に高い確率(それは急いでいる時に限って電車が遅延している確率よりも少しばかり高い)で遭遇するからだ.
全身黒ずくめの彼女はいつも大きなリュックを背負い,一人でずっと居座り(つまり僕も居座っている),そしてぶつぶつと独り言を話している.あるいは誰かと会話をしているのかもしれない.彼女にしかわからない誰かと.
僕の隣に座った彼女は,リュックから袋に入ったジャージを取り出しトイレに向かった.そして,それに着替えて戻ってきた.依然大きなリュックから彼女は,ヘルメットを取り出した.そしてそのヘルメットには〇〇警備と書かれていた.
そう,彼女は警備員の仕事をしていたのだ.
いつも夜遅くまで働いている彼女は,朝もこんなに早くから動き出している.僕は切羽詰まってようやく朝から動いているのに,彼女はまるで呼吸をするかの如く,さも当然のようにやってきては姿を消した.
僕はなんとも言えない気持ちになった.
女性閲覧禁止,女々しいあなた(と私)に贈る珠玉の楽曲フレーズ4選!
こんにちは!よん太です.
以前,プロフィールでも書いたように,僕は6年以上付き合った彼女に振られた経験があります.
以来,酒に溺れたりボロボロ一人で泣いたりと酷い生活をしてきました.
今でも夢に出てくるほどの経験(いずれ書きたいと思います)なのですが,その一方で歌は心に沁みるわ,小説を読めば泣けてくるわ,それはもう感受性が39倍くらい豊かになりました.
そこで今日は,同じように女々しいあなたに贈る,「これ,よくない?」と僕が勝手に思うフレーズ集を,僕の勝手な解釈を添えてご紹介したいと思います.
ちなみに,僕はご紹介する曲を聴いて一度以上泣いております!!笑
今日は第一弾として楽曲のフレーズをお送りします!
女々しいとは男性のための言葉なので(だって女々しい女なんて言わないでしょ),女性は閲覧をご遠慮くださいませ.笑
では,行ってみましょう!
寺尾聰:ルビーの指環(1981)
くもり硝子の向うは風の街
問わず語りの心が切ないね
枯葉ひとつの重さもない命
あなたを失ってから
(作詞:松本隆)
これを寺尾聰が歌うわけです.ダンディさの中に隠れる女々しさが格好良くもあり,涙を誘います.あなたを失ったことで,私の命の重さも同時に失われたのです.
また,
孤独が好きな俺さ
気にしないで行っていいよ
気が変わらぬうちに早く
消えてくれ
(作詞:松本隆)
去る者は追わず,の中にも相手には決して伝えない女々しさが隠れていますね.格好いい.
そして,
そして二年の月日が流れ去り
街でベージュのコートを見かけると
指にルビーのリングを探すのさ
あなたを失ってから
(作詞:松本隆)
最後に女々しさを発揮します.
二年経った後にも,あなたの姿を探しているのです.ルビーの指環をまだ身につけているあなたを…
この女々しさが格好いいと思うのですがいかがでしょう?
確かに,すぐに切り替えて未来に生きるという生き方もあるでしょう.
しかし,一人の人をこれだけ想い続けるという生き方も悪くはないのではないでしょうか.
さだまさし:縁切り寺(1975)
さだまさしによって作曲された本曲.
僕は彼の曲の中で一番好きな曲です.
今日鎌倉へ行って来ました
二人で初めて歩いた町へ
今日のあの町は人影少なく
想い出に浸るには十分すぎて
(作曲:さだまさし)
二人で初めて歩いた町へふと足を運びます.
楽しかった会話,笑顔だった君.
あの頃を思い出しながら想い出に浸ります.
あの日誰かに頼んで撮った
一枚きりの一緒の写真
納めに来ました縁切り寺
(作曲:さだまさし)
姿形を確かめられる唯一の写真.それを今日納めに来たのです.
僕も写真がまだ手元に残っていますが,それを全て捨てるというのはなかなか勇気がいることだと思います.
そして,
君は今頃幸せでしょうか
一度だけ町で見かけたけれど
紫陽花まではまだ間があるから
こっそりと君の名を呼ばせてください
人の縁とは不思議なもので
そんな君から別れの言葉
あれから三年縁切り寺
(作曲:さだまさし)
実際に縁を切るためには三年の修行が必要だと言われている縁切り寺.
縁を切りに来たのだけれど,三年が経ってしまう次の紫陽花まではまだ時間があるから,もしかしたらちょっと縁が残っているかもしれない.だから君の名を僕は呼んでいます…
縁を切りたいなんてきっとこれっぽっちも思っていないのです.
でも,それでは前に進めないし,君のためにも良くない.そんな中での女々しさがとても心に沁みます.
僕はこの歌を聴きながら自棄酒をして,セルフ寝ゲロをしました.笑
本当に素晴らしい楽曲だと思います.書いている今でも泣きそう.
沢田研二:勝手にしやがれ(1977)
続いて,女々しい歌の王道といえばこの歌.
最近話題になったのもジュリーですね.
行ったきりなら幸せになるがいい
戻る気になりゃいつでもおいでよ
(作詞:阿久悠)
もう,序盤から女々しさ全開ですね笑.
そう,いつか戻って来てくれればそれでいいのです.
夜というのに派手なレコードかけて
朝までふざけようワンマンショーで
(作詞:阿久悠)
もちろん,ワンマンです.
一人でふざけるのです.朝まで.あな,女々し.素晴らしい.大好き.
The Mirraz:ただいま,おかえり(2010)
お次は少し趣向を変えて,割とマイナーな曲を選んでみました.
この曲では,別れてはいないかもしれませんが,そのことについて明言はされていません.少し曲解かもしれませんが,一緒に過ごした時間の回想とも取れます.
最近妙な事を考えるんだ僕も歳をとったのかなぁ
恥ずかしいから聞き流してくれていいよ
それは月曜日の昼過ぎで僕は歯医者の
予約を三時にしていたのを忘れてしまってて
あー歯医者になんて行きたくないなんて言ったら
きっと君に叱られるから,遅刻してでも行く
(作詞:The Mirraz)
僕の経験と解釈では,そこに君はもういません.
記憶として存在する君に話しかけるのです.
歯医者には行きたくないけれど,そんな時,君は僕を叱ってくれました.だから,僕は重い足をあげるのです.
ドアノブを握り右にまわしドアを引いて開ける
そしたら君が「おかえり」って僕は「ただいま」を言う
下を向きながら靴紐をほどきながらただいまって言うんだ
そんな夢みたいな夢をたまに見るんだ
そんな年老いた未来を想像するんだ
君は今ここにいないのだけれど
いつかそんな風になれたのならいいな
いつかそんな日が来ればもっといいな
(作詞:The Mirraz)
歌詞にもある「おかえり」と「ただいま」.
そんな平凡な夢は,もう届かない夢になってしまった.
今はここにいない君とのそんな未来を夢見ているという女々しさ.あな.
おわりに
いかがだったでしょうか?
この女々しさは自分の中だけで大切にしたいものです.
まだまだ紹介したりないので,続きはまた今度.
崖っぷちを経験した大学院生が送る,アウトプットの大切さ
はい!みなさん!こんにちは!よん太です!
今日は,表題の通りアウトプットの大切さについて
崖っぷちを経験した大学院生の経験からお伝えしたいと思います!
例えば言語学習においてもアウトプットは重要であると言われています.インプットももちろん重要ですが,それだけでは習得には十分ではないという仮説も存在しています.
例えば,こんな経験はないでしょうか?
英語を勉強し,ある程度リスニングやリーディングの力はついてきたように感じるが,いざ話してみようとするとうまく話せず単語の表出になってしまう…
アウトプットによって,
- 表現したい内容と表現できる内容のギャップに気づくことができる
- 自分の表出方法が正しい(伝わる)かどうかを確かめる機会になる
ことによって学習が促進されると考えられています.
(横山紀子:言語学習におけるインプットとアウトプットの果たす役割,日本語国際センター紀要14,2004.)
このアウトプットは日常生活,特に考えるという活動においても重要ではないでしょうか.今日は僕が修士研究で痛感したアウトプットの重要性についてお話ししたいと思います!
これを読んだあなたが,考えをまとめるときにほんの少しでも役に立てれば幸いです.
それでは,行ってみましょう!
大学院での研究
僕の経験を理解しやすいように,研究内容について簡単に話したいと思います.
その前に,研究には大きく分けて2つの種類があります.
- 量的研究:なるべく多くの数量的データを集めて,傾向や差を統計的に明らかにする.同じ手法を使えば誰がやっても同じ結果が得られる.
- 質的研究:観察やインタビューによる質的なデータを集めて,その内容を検討する.同じ手法を使っても全く同じ結果にはならない.
詳しいテーマについては説明を省きますが,僕の研究は質的なものでした.
20名の対象者に2回ずつ,各1時間程度のインタビューを行い,その内容を分析するという方法です.同じ結果が得られないのは,データの分析が研究する人の判断の積み重ねであるからです.問題は,得られた結果が多くの人が納得できるか,了解できるかということです.
つまり,一言で言えば,分析にはキリがありません.ベストな形が存在しないからです.
そして,それにより僕は地獄を見るのでした…
修士研究,地獄の1ヶ月の始まり
あれは修士研究の発表1ヶ月前.
僕の眼の前にあったのは,A4サイズの用紙にびっしり詰まった,300ページ分のデータでした.それを分析し,形作らなければなりません.
研究手法を一通り学んだ僕は,やり方もイメージできており,なんとかやれるだろうという見通しを立てていました.が,それが甘かった.
進まない分析,浮かばないアイデア,そして刻一刻と迫る期限.
このままでは卒業できない.そう考えるととても辛かったのを思い出します.
忘れない,三度泣いた夜
人は泣く動物です.
僕が三度泣いたのは発表前の土曜日でした.
生まれて初めて二日連続で徹夜をし,疲労はピークを迎えていました.
もう時間がない.なんとなく結果が見えるような,見えないような,見えないような.見えない.わからない,終わらない.終わった.卒業できない.
人生であれだけの時間的切迫感を感じたのは生まれて初めてでした.
そんな時,僕は涙を流すことで切迫感を抑えました.
泣くことが精神衛生にはたらくことを身を以て実感しました.
アウトプットと閃き
どうしようもない切迫感を抱えていた僕は,同期や後輩に意見を求めました.
研究内容はお互い知っており,バックグラウンドも似通っているため話は通じやすいです.
「この内容はどうだろうか?」
「ここはどう説明したら良いだろうか?」
そんな風にして尋ねました.
議論で意見を求める時,必然的に自分の考えや意見をアウトプットします.
加えて他者からの意見もインプットされていたのでしょう.
その夜,僕は一人大学に残って一睡もせず考えました.
考えに考え,漸く形らしき内容が浮かび上がりました.
なんとか無事に発表会を乗り越えた週末,僕は二日間ずっと寝続けました笑
おわりに
いかがだったでしょうか.
平々凡々な一学生の経験ではありましたが,そこに少しでも学びの余地があれば幸いです.この経験をもとに,僕は伝えたい.
- 計画的に生きよう.
- 質的研究はオススメしない.本当に死にそうになる.
- でも,結果に納得できたときの達成感は素晴らしい.
- どんなに考えてもダメなときは人を頼り,そしてアウトプットしよう.
研究に携わる人は少ないかもしれませんが,普段の生活でも多少意識してアウトプットしてみましょう.
日常生活における,「考えるということ」に役立つかもしれません.
私って誰?自分を見つめ直すあなたに送る考え方
はい,みなさんこんにちは.よん太です.
突然ですが,質問です.5秒だけ考えてください.
「あなたは何者ですか?」
いえ,別に怪しんでいるわけではございません.笑
聞き方を変えましょう.今度は具体的に尋ねますので,なるべくリアルに想像してください.
はじめに言っておきますが,これは心理テストではありません.別にあなたが傷つきやすいタイプだとか,実は小心者だとか,そういうことは分かりません.
「あなたは転んで足の骨を折ってしまい(盲腸でも,肺炎でも,食あたりでも構いません),病院に運ばれました.何もなければ普通に過ごしていた明日.その明日について,あなたは何を思い,何をしなければと考えますか?」
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僕は,大学院生でもある傍ら,人の人生に寄り添う仕事もしています.すると時に,みなさんに尋ねたようなことが気になってくるのです.
そこで今日は,「自分の生き方について考えるときに役に立つかもしれないこと」を考えてみたいと思います.キーワードは「自分は何者か」,そして「うまくやれているか」です.
では,考えてみましょう.
自分は何者か:同一性
先ほどの質問を思い出してください.病院に運ばれたあなたは,明日のことを考えて何を思い,何をしなければと考えますか?
考えなかったあなたは,今,10秒考えてください笑.
僕の場合はこうです.
「一週間入院か.明日から仕事を休まなくちゃいけないな,上司に連絡しなきゃ.3週間後の研究発表会に向けた資料も完成させなくちゃ.パソコンを持ってきてもらおう.一応,実家の親にも連絡しなければ.心配するだろうな,でも一応しておこう.あの看護師さん綺麗だな.年はいくつだろう?彼氏いるのかな?いや,だいたい綺麗な人には彼氏がいるんだよな.このままじゃ結婚できな(以下略)」
後半は至って健全な思考に陥っていますが,太字の部分はどうでしょうか.
大きく分けると,「仕事」,「大学院生」,「家族」のことを考えていますよね.
このように,私たちが生活上の大きな挑戦に対面した時,私たちは自分は何者かという同一性を無意識のうちに考えています.それが僕の場合は仕事をするということ,大学院生であり研究をするということ,家族の一員であるということでした.
あなたの場合はなんだったでしょうか?例えば,
- 週末に控えているデートのこと
- 大学でやっているサークル活動
- その日の夜に控えているアルバイト
- 今度友人と行く旅行のこと
など,いろいろなことが考えられますね.それらは同一性を反映していると捉えることができます.「あなたは何者ですか」,これが冒頭の質問の意図です.
うまくやれているか:有能感
次に,その同一性がどれだけうまくやれているかを考えたいと思います.
また僕の例をとってみましょう.
僕の場合,とっさに考えたのは「仕事」「研究」「家族」でした.
あなたはこれらのことをどれだけうまくやれているでしょうか?
先ほど,僕は足の骨を折りましたが,それで一週間入院したとすれば
仕事をうまくやれているという感覚は少し薄れます.研究は入院しながらやれば良いので,むしろ捗る可能性があります.家族の一員としてうまくやれるかは,おそらくほとんど変わらないでしょう.
現在の生活では,特に問題なくやれていると思いますが,残り数ヶ月で卒業し,就職もすると考えると,仕事と研究に関しては同一性が少しずつ変化する必要があると予想されます.
あなたの場合はどうでしょうか?今のあなたの同一性を反映することがうまくやれているかどうか,それが有能感です.
病院に運ばれた質問で考えること
同一性と有能感,どちらが先に崩壊の危機を迎えるでしょうか?
また,病院の例を考えてみましょう.
足の骨が折れた僕は,仕事を一週間休みます.ギプスが外れれば仕事にも復帰するでしょう.つまり仕事をするという同一性は保たれていそうです.復帰して何日か経てば薄れていたうまくやれるという有能感も取り戻すでしょう.
つまり,有能感が先に影響を受けます.
では,入院が一週間ではなく半年,一年だったらどうでしょうか?
仕事は辞めなければいけないかもしれません.そして同一性が崩壊した場合,それを立て直すにはかなりの労力が必要です.
同一性は影響を受けにくい半面,立て直すのが大変だということです.
僕の場合もそうでした.
付き合っていた彼女に別れ話をされた時点で「彼氏」という有能感はすぐに影響を受け,実際に別れた時には有能感は跡形もなく崩壊しました.
しかし,頭では理解していても「彼氏」という同一性は二週間くらいは保たれていたと思います.そして同一性が崩壊した後は,そこにはもう再構築の余地はありません.
というか,この場合はあったらやり直すか,ストーカーをするということになってしまいます.笑
おわりに
最後は少し強引な例でしたが,いかがだったでしょうか.
みなさんも自分の同一性,有能感を考えてみてください.
うまくやれていない時は,どうしたらうまくやれるか考えてみましょう.人に助けを求めてみましょう.そして同一性も,やり直せないわけではありません.むしろ,ほとんどの人が同一性の再構築を経験すると言われています.
何があなたに役立つかはわかりません.役に立たないかもしれません.
信号待ちをしている時や,電車で立っている時にでも少し考えてみてください.
よん太のプロフィール
はい〜,みなさんこんにちは.
当ブログを運営しております,よん太です.
本日は私,よん太の自己紹介をしたいと思います!
そう…
銭湯上がりに必ずフルーツ牛乳を飲むように,
女子高生のスマホの画面が必ず割れているように,
ブログの最初の記事は必ず自己紹介と相場が決まっているのです(?)
この記事を読み終えるだけで,あなたには「よん太マスター」の称号が与えられるでしょう…(いらない)
では,さっそく行ってみましょう!
- よん太って誰?
- ブログを始めたきっかけ
- 生い立ち
- 周りから"優等生"のレッテルを貼られていた大学時代
- 「6年間付き合い結婚資金まで貯めていた彼女を寝取られる事件」が起こる大学院時代
- 趣味・日課・性格など
- おわりに
よん太って誰?
大学院生,某医療系国家資格所持者,研究者(の端くれ).24歳,本名は同じ(嘘).
静岡生まれ,茶畑育ち.
はじめに言っておきますが,蛇口から緑茶は出ません.
大学進学とともに上京し,今年で6年目になります.
学部を卒業と同時に大学院に進学し,学生とも社会人とも取れないようなモラトリアム的な2年間を過ごしております.
ブログを始めたきっかけ
かっこいいと思う対象は人それぞれですが,僕はスタバで何とかフラペチーノを飲みながら,マックを広げて険しい顔をして作業をしている姿に憧れたからです.
あとは,大学院で勉強をする中で色々な人や本と出会い,「考える時間」が増えたのでそれらを発信したいと考えました.ブログのコンセプトでもありますが,僕の考えていることが「稀に,ほんの少しだけ」読んでいる方のお役に立てば幸せです.
生い立ち
では,簡単な僕の生い立ちをここで.
周りから"優等生"のレッテルを貼られていた大学時代
僕の通っていた大学は専門性が強く,2年生の先輩が1年生に歓迎会を開催するのが恒例になっていました.それがきっかけとなり,以降僕は"優等生"のレッテルを貼られることになるのです.
ある先輩がこう言いました.
「一年生は遊んだ方がいいよ」
天邪鬼な僕はそれを聞いて,"自分は後輩に『勉強した方がいいよ』と言えるようになろう"と決意したのでした.
それ以降,真面目に勉強し,いい成績を取り,優秀だと言われ…の繰り返し.
これは役割の概念ですが,
「人は自分の描く役割台本に沿って行動し,また他者から期待されているように振る舞う」ようです.
そんな風に"優等生"であった僕は,結局4年間"優等生"であり続けました.
しかし,本当はそうでないことは自分が一番わかっていました.
このブログを始めたきっかけの一つでもあるのですが,
「自分で考えて,行動する」ことが大切であると痛感したのです.
試験でいい点が取れても,国試を学年トップで合格しても,首席で卒業しても,「自分で考える」ことが苦手だという意識をどこかで持っていました.
結局は,本来「学ぶために勉強した結果良い成績をとる」ことが「良い成績を取るために勉強する」という本末転倒な状態だったのでしょう.
そのツケを払うことになったのは大学院に進学した矢先のことでした.
「6年間付き合い結婚資金まで貯めていた彼女を寝取られる事件」が起こる大学院時代
そうなんです,突然ですが,あとで寝取られます.くぅ〜〜〜〜!
大学院では,自分でテーマを考えて一つの研究を完結させなければなりません.
「自分で考える」ことは研究をする上で一番大事な要素と言っても過言ではないと思います.
なぜなら研究をするということは,
「それまでの知見を踏まえ,まだ明らかにされておらず,かつ明らかになれば社会の役に立つことを明らかにする」ことであり,そのためには何が求められているかを考える力が求められるからです.
そして当時の僕には,「考える力」が十分に備わっていませんでした.それによって研究テーマ決めで最初の苦難を強いられることになったのでした.
研究をするということについては,またどこかの機会に考えたいと思います.
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